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♪ Cendrillon「シンデレラ」 (サンドリオン)

by hidepost, le 2 oct 2011

作曲:Jules Massenet (マスネ1842~1912)

内容:ペローの童話を基にH.Cainが台本を書いた、誰もが知っているシンデレラ物語。フランスのロマンティックオペラを代表する作曲家マスネの優しく楽しい作品。

4幕6場 フランス語

あらすじ

1幕 

アルティエール夫人の屋敷で、従者たちが「旦那様は良い方だが、奥様はひどい人だ」と合唱している。それを聞いた主人のパンドルフ (バス) は「伯爵夫人と一緒になったばかりに高慢な女房に我慢をしなくてはならず、連れ子の2人の娘もあきれた連中だ。我が1人娘のリュセットが可哀想だ」と嘆いて去る。アルティエール夫人 (メゾソプラノ) が2人の娘と現れ、今夜は王子様の舞踏会に行くのだからおめかししなさいと言い、女にとって舞踏会は戦場なのだと教訓を与える。帽子屋、仕立屋、美容師らが大騒ぎで2人を飾りたてて、従者たちはその趣味の悪さを隠れて笑う。パンドルフが現れ、リュセットを連れて行けないのを残念がりながら、皆で出発して行く。サンドリオン (灰かぶり娘) と呼ばれているリュセット (メゾソプラノ) は1人残り、炉端 (ろばた) で「皆が舞踏会に行っても、私は仕事をするのが定め」と歌っているうちに寝入ってしまう。すると妖精 (ソプラノ) が現れ、眠っているサンドリオンに美しい衣装を着せて彼女を起こす。夢見るように目覚めたサンドリオンは、宮殿の舞踏会に行けると聞いて大喜びし、「真夜中には必ず帰って来るように」という妖精の言葉に送られて、美しい馬車に乗る。

 2

宮殿の大広間では、憂うつなシャルマン王子 (テノール) に、儀典長 (バリトン)、大学長 (テノール)、大臣 (バリトン) が、「舞踏会では晴れやかに」と進言するが、王子は皆を退かせ「愛する女性がいない自分は寂しい」と嘆く。国王 (テノール) が現れ、王子に「今夜の舞踏会で心に叶う女性を見つけて結婚するように」と言い、華やかな舞踏会が始まる。アルティエール夫人とその2人の娘も登場し、宴たけなわとなった時、突然奥の扉から美しい1人の娘が現れ、人々はあまりの美しさに驚く。王子は彼女に近づき、王は気を利かせて人々を別室の舞踏会場に移動させる。王子は「美しい貴女は誰」と尋ね、サンドリオンは「今夜この一時だけお会いできる見知らぬ女」と答える。夢中になった王子は彼女に愛をささやき、サンドリオンも甘美なその声に陶酔する。その時、真夜中の鐘が響き、我に返ったサンドリオンは王子のもとを走り去る。後を追う王子の前を妖精たちが立ちふさぎ、奥の間では華やかな舞踏が続いている。

 3幕 第1

急いで帰ったサンドリオンは 片方のガラスの靴を宮殿のテラスに失くして来てしまったことに気がつく。彼女は「これで幸せの時間は消えてしまった」と歌い、自分の部屋へ入る。夫人と2人の娘がすごい剣幕で帰って来てパンドルフに当り散らし、出てきたサンドリオンに「舞踏会に変な娘が来て王子様を誘惑しようとしたが、王子様もあんな女は首吊りにしろと言っていた」と伝えるので、サンドリオンは失神しそうになる。遂に激怒したパンドルフが3人の女を追い出し、サンドリオンに「この家を出て昔の田舎に戻ろう」と言い、仕度を始める。彼女は父にまで迷惑を掛けたくないと、1人で出ていく決心をする。

 2

サンドリオンと王子が別々に森の左右からやってくるのを 妖精たちが見つけ、2人が互いに見えないようにして、それぞれをひざまずかせる。祈り始めた2人は、相手が今夜出会った愛しい人であることに気付き、共に生涯愛し合う事を誓い、王子は自分の心臓を魔法の木に掛けて、妖精にこの愛の成就を祈る。妖精が子守唄を歌い、2人を眠らせてしまう。

4幕 第1

森に倒れていたサンドリオンを家に連れ帰ったパンドルフは、サンドリオンに彼女が眠っている間色々なうわごとを言っていたと話し、彼女は今までの出来事は夢だったのかと悲しむ。そこへ伝令がやって来て、見知らぬ女の残していったガラスの靴を試すので、心当たりの女性は宮殿へ来るようにと布告し、サンドリオンは夢ではなかったのだと気がつく。

2

宮殿では、どの女性もガラスの靴を履くことが出来ない。そこへ妖精の声と共にサンドリオンが現れ、「あなたの心臓を持ってきた」と言い、王子は狂喜して彼女を抱きしめる。パンドルフや人びとが祝福する中、めでたく幕となる。