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♪L’Elisir d’Amore「愛の妙薬」

by hidepost, le 20 juin 2015

作曲:Gaetano Donizetti(ドニゼッティ1797~1848)
内容:台本は、Scribe作の「媚薬」を基に、Romaniが書いた。オペラを70曲作曲した多作家ドニゼッティの代表的傑作で、ロマンティックで明るく、甘い楽しいオペラ。
2幕 イタリア語

あらすじ:

第1幕 第1場

のどかな田園の農場で、農民たちが楽しそうに歌う中、木陰で地主の娘アディーナ(ソプラノ)が、「トリスタンとイゾルデ」を読んでいる。彼女に恋焦がれる若く純粋な農夫ネモリーノ(テノール)は、彼女を見つめながら«アリア:なんと美しく、なんと可愛い»を歌う。突然笑い出すアディーナに、字の読めない農民たちは、そんなに面白いなら読んで聞かせてくれとせがむ。彼女は楽しそうに本を読んで聞かせ 「こんなに効く惚れ薬があったらいいのにね」と笑い飛ばす。そこへ、小太鼓と共にベルコーレ軍曹(バリトン)と 小隊がやってくる。彼は、村娘の中で一際美しいアディーナに さっそく目をつけ口説き始め、«アリア:昔パリスがしたように»を歌う。まんざらでもないアディーナに、彼はいきなり結婚を迫るが、彼女は簡単には承諾しない。ベルコーレと兵隊たちは農場に休みに行き、村人たちも仕事に出て行く。広場に残ったネモリーノとアディーナ。もじもじと愛を打ち明けるネモリーノを、アディーナは適当にからかうが、心の底ではそんな彼を好ましく思う。«二重唱:そよ風に聞けば»。

第2場

安っぽいトランペットの音が聞こえてきて、現れたのは、いかさま薬売りのドゥルカマーラ(バス)。彼は、村人たちの無知につけこんで、いかがわしい薬の口上をもっともらしく述べる。«アリア:村の衆、お聞きあれ»。村人たちが帰った後、ネモリーノが現れ「イゾルデ姫の愛の媚薬をお持ちですか?」と尋ねる。ドゥルカマーラは、安い葡萄酒を「愛の妙薬」であると偽って高額で売りつけ、ネモリーノは大喜び。ドゥルカマーラは、内心ほくそ笑みながら、逃げる時間を計算して「明日から効き目がでる」と、もっともらしく効能を述べる。早速妙薬を飲んだネモリーノは、酔いが回ったのを薬の効果と思い「ラッララッラ・・・」と歌いだす。薬を信じて自信たっぷりにしているネモリーノを見て驚き、自尊心を傷つけられたアディーナは、そこへやってきたベルコーレに、ネモリーノへの当て付けに「ベルコーレと結婚する」と宣言する。しかし、明日には薬の効き目があらわれると信じるネモリーノは強気に笑いとばす。そこへ軍隊の使者が、ベルコーレに明日移動の命令書を持ってくる。ならば今日中に結婚式を挙げようと迫るベルコーレに、アディーナは、躊躇(ちゅうちょ)しながらも、ネモリーノが見つめるのを横目に承諾してしまう。驚いたネモリーノは1日だけ待ってくれと訴える。ベルコーレは、いちいち邪魔をするネモリーノに腹を立て、アディーナは、気を取り直して皆を結婚式の宴に招き、ネモリーノはいかさま薬売りドゥルカマーラに助けを求め、それぞれの思いのうちに幕が下りる。

第2幕 第1場

アディーナとベルコーレの結婚式の披露宴が華やかに催されている。公証人が結婚証書を持ってやってくるが、ネモリーノの姿がないので、物足りないアディーナは今晩までサインを待ってとためらう。一方、ネモリーノはドゥルカマーラに「もう1本薬を売ってほしい」と頼みこむが、所持金が無いので途方に暮れる。そこへ、ベルコーレが登場し、今晩まで結婚をのばすようにアディーナに告げられたとつぶやく。悩むネモリーノに、ベルコーレは軍隊に入ると、すぐに大金がもらえると誘い、ネモリーノは悩んだあげくに入隊を決意し、大金を得て勇み立つ。

第2場

村の娘たちが「ネモリーノの叔父さんが死んで、彼に莫大な遺産を残した」と噂している。そこへ、ドゥルカマーラから薬を買って飲んだ当のネモリーノがやってきて、玉の輿を狙う村中の娘たちが、急に彼に愛想が良くなったので、薬が効いてきたと信じて良い気分になる。それを見たドゥルカマーラは「わしの薬が効くとは」と驚き、アディーナは、ネモリーノが他の娘を愛する事を心配し、ドゥルカマーラに相談する。彼は、ネモリーノが「愛の妙薬」を買うために兵隊になる決意をしたことを話す。ネモリーノの自分への深い愛を感じたアディーナは、今までのことを反省する。すかさずドゥルカマーラは、彼女にも「愛の妙薬」を売ろうとするが、賢い彼女は「この目と微笑と優しさが媚薬なのよ」と言い、ドゥルカマーラをうならせる。二人が去ると、陰で様子を見ていたネモリーノは、アディーナの目に涙が浮かんでいたと、有名な«アリア:人知れぬ涙»を歌う。そこへアディーナが戻ってきて、ネモリーノの入隊契約書を買い戻して来たと彼に渡し「この故郷に残っていて」と話す。«アリア:受け取って»。契約書だけを手渡し、彼への愛を言わずに立ち去ろうとするアディーナに、ネモリーノは「愛されていないのなら兵隊になって死ぬほうがましだ」言い、ついに彼女はネモリーノへの愛を打ち明ける。ベルコーレがやって来て驚くが、アディーナが「ネモリーノを夫に選んだ」と告げると、ベルコーレは世の中に女はいっぱいいるさと、潔くあきらめる。ドゥルカマーラが、ネモリーノが大金持ちになったことを披露し、それも自分の「妙薬」の効き目だと 村人たちに宣伝し、薬を売りつくして村を去り、人々が歓声を上げて見送るうちに めでたく幕となる。