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♪Manon Lescaut「マノン・レスコー」

by hidepost, le 3 déc 2012

作曲:Giacomo Puccini(プッチーニ 1858~1924)

内容:原作はオペラの題材に良く使われるA. Prévostの小説「騎士デ・グリューとマノン・レスコーの物語」で、イタリア人プッチーニ作のこのオペラより前に、フランスの作曲家マスネも「マノン」を作曲して成功している。プッチーニは台本が気に入らずLeoncavallo始め複数の台本家を煩わせて作曲し、このオペラは、美しいプッチーニ・メロディのオペラとして、彼の出世作となった。4幕 イタリア語

 

あらすじ

第1幕
フランス、アミアンの宿屋の広場では、学生と娘たちが集まり騒いでいる。その中の一人学生エドモンド(テノール)がアリア「楽しき宵」を歌い、他の者もそれに唱和する。そこへ学生のなりをした騎士デ・グリュー(テノール)が現れ、1人静かにしているので、皆が冷やかし、彼はアリア「栗色、金髪の美人の中で」を歌う。そこへ馬車が到着し、レスコー(バリトン)とその妹マノン(ソプラノ)、財務大臣ジェロンテ(バス)が降りてくる。皆が荷物を持って宿屋に入り、マノンが1人になったとき、デ・グリューは彼女の名と彼女が若くして修道院に入る身の上だということを聞き出す。兄の呼ぶ声がするのでマノンは立ち去るが、デ・グリューは「今夜もう1度会いたい」と懇願し、約束するのに成功する。マノンの美貌に陶然となったデ・グリューは、アリア「見たこともない美人!」を歌う。学生や娘たちは「恋なんて」と言っていたデ・グリューの突然の恋を冷やかす。財務大臣ジェロンテはレスコーとマノンを食事に招き、レスコーはカルタを始める。好色漢のジェロンテはマノンを誘拐するために馬車を用意させる。これを盗み聞いたエドモンドはデ・グリューにそれを教える。 約束通り現れたマノンに、デ・グリューは愛を告白し、ジェロンテの誘拐計画を明かし、自分と逃げようと彼女を説得する。2人は、学生たちの援けをかりて、ジェロンテの用意した馬車に乗りまんまと逃げ、ジェロンテは悔しがる。レスコーは「2人はパリで見つかるでしょう」と囁き、学生と娘たちは、してやったりと騒ぎ喜ぶ。

第2幕
マノンとデ・グリューはパリで見つかってしまい、デ・グリューと引き離されたマノンは、ジェロンテの妾になってパリの妾宅にいる。そこへレスコーが現れ、妹の贅沢な生活に喜ぶが、マノンはこの豪華だが愛のない生活に嫌気がさしていて、アリア「このやわらかいレースに包まれても」を歌う。マノンは兄にデ・グリューの消息を聞き、彼を懐かしがる。そこへ音楽師(メゾソプラノ)が現れ、ジェロンテ作曲のマドリガルを歌い、さらに舞踏教師が彼女にメヌエットを教える。そこへジェロンテが現れ、彼女の美貌を称えて帰ってゆく。そこへ突然デ・グリューが現れ、彼女は「私が悪かったの」と謝り、すがりつく。デ・グリューはマノンのしおらしい姿に怒りを忘れ、2人は抱擁する。そこへジェロンテが登場。怒り狂うジェロンテに、マノンは開き直って、その醜い顔を見よとばかりに鏡をつきつけ、ジェロンテは怒りの余り立ち去る。デ・グリューは2人で早くここから逃げようと言うが、マノンは逃走の前に宝石類を持って行こうと手間取る。デ・グリューはアリア「マノン、お前の愚かさが」を歌い説得するが、時遅く、ジェロンテが憲兵を連れて来てマノンを逮捕してしまう。デ・グリューは剣を抜き後を追いかけるが、レスコーにとどめられ、マノンの名を絶叫する。

第3幕
連行されたマノンは、娼婦としてアメリカのフランスの植民地ルイジアナに売り飛ばされることになり、ル・アーブルの港で船出を待っている。港まで追いかけてきたデ・グリューは必ず助け出すと告げるが、レスコーは警備が厳しく救出は失敗だと伝える。他の娼婦たちと一緒に点呼されるマノンと、その様子を見物する群集。デ・グリューは自制心を失って飛び出し、アリア「狂気のこの私を見てください」を歌って、船長(バス)にマノンと同じ船に乗せてくれと懇願する。デ・グリューの気迫に押された船長は、彼の願いを許し同船を許可する。

第4幕
植民地ルイジアナでも問題を起こしたマノンとデ・グリューは、荒野を逃亡し、マノンは疲れ切ってもう一歩も動けない。デ・グリューはマノンに水を与えたいと思い、マノンを荒野に1人残し、人家を探し行く。自らの死期を悟ったマノンは、アリア「一人さびしく」を歌う。何も見つからず絶望したデ・グリューが戻って来て、二人は甘美な二重唱を歌う。マノンは最後の力を振り絞って、デ・グリューに別れを告げて息絶え、デ・グリューはその遺骸を抱きしめて慟哭し、幕となる。