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♪Tamerlano 「タメルラーノ」

by hidepost, le 11 nov 2014

作曲:G. F. Händel(ヘンデル1685~1759)
内容:原作はN. プラドンの戯曲「タメルラン、あるいはバジャセの死」1677年で、その後何度も改訂されN. F. ハイムが台本を書いた。ヘンデルのオペラの最盛期1724年に作曲された美しく聴きごたえのある音楽。 3幕 イタリア語

あらすじ

タタールの帝王タメルラーノとの戦いに敗れたトルコ皇帝バヤゼットとその娘アステリアが、囚われの身になりながらも誇り高く自らの意志を貫こうとする物語。

第1幕

タタールの帝王タメルラーノ(コントラテノール)の宮殿で、捕虜となっているトルコ皇帝バヤゼット(テノール)は、一緒に捕虜になった愛する娘アステリア(ソプラノ)が一人残されることを思うと、潔く自害することができない。そのアステリアと密かに愛し合っているギリシャの王子アンドロニコ(コントラアルト)は、帝王タメルラーノが、アステリアの美しさにひかれて、婚約者トレビゾンド王女イレーネとの婚約を破棄しても、彼女と結婚したがっていることを知り動揺する。タメルラーノはアンドロニコに、アステリアとの仲を取り持てばその褒美として、自分の婚約者イレーネとギリシャの統治権を与えると持ち掛ける。ギリシャの王子としてその条件を無視できないアンドロニコは、愛情との間に立たされ苦悩する。タメルラーノから求婚されたアステリアは、恋人アンドロニコが国益のために自分を捨てたと思い込む。父バヤゼットは敵に娘をやるなどとんでもないと怒り、アンドロニコはアステリアに必死に弁解するが、求婚を受け入れるように見せかけてタメルラーノを暗殺しようと密かに思うアステリアは泰然としている。結婚のため宮殿に到着したタメルラーノの婚約者イレーネ(アルト)は、タメルラーノが婚約を破棄したことを知り激しく憤るが、アンドロニコがイレーネに、彼女の従者のふりをしてタメルラーノに近づいて様子を見るように進言する。

第2幕

抵抗しないアステリアが自分を受け入れたと思い込んだタメルラーノは、嬉々として結婚の準備を進める。苦しみながらも彼女への愛が募るアンドロニコは、再びアステリアに弁明するが、覚悟を決めたアステリアに冷たくあしらわれて気を落とす。アンドロニコの進言に従って従者に扮したイレーネが、タメルラーノに婚約破棄の件について抗議しにくる。アステリアは密かにイレーネに、ある計画のためにタメルラーノに従っているだけで、もう少し待って欲しいと打ち明ける。いよいよ娘アステリアがタメルラーノの部屋に入ると知ったバヤゼットは、アンドロニコと二人でそれを阻止しようとタメルラーノの部屋に乗り込む。バヤゼットは 敵の后になろうとするアステリアに「もう自分の娘ではない」とののしり、アンドロニコも彼女の不誠実を責める。ついにアステリアは 懐から短剣を出し、最初の抱擁の時にタメルラーノを殺し復讐するつもりだったのだと告白する。計画は失敗し、激怒したタメルラーノは、アステリアとバヤゼットに厳罰を与え、アステリアを奴隷のように扱うと宣言する。アステリアの真実を知った父バヤゼットとアンドロニコは、彼女に許しを請い、互いの信頼を取り戻す。

第3幕

バヤゼットはアステリアに毒を渡し、辱めを受ける時にはこれを飲んで死ぬように、自分もすぐに後を追うからと言い含める。一方、アステリアを諦めきれないタメルラーノは、アンドロニコに「まだ后の座は空いている」と彼女に伝えるよう命ずるが、ついにアンドロニコは「自分も彼女を愛している」とタメルラーノに宣言する。激怒したタメルラーノにアステリアは、自分はどうなってもいいから父の命だけは助けてくださいと乞う。バヤゼットとアンドロニコを食卓に呼びつけたタメルラーノが、彼らの前で奴隷になったアステリアに酌を命じると、アステリアは杯の中にこっそり毒を盛る。しかしそれを盗み見たイレーネが、飲む直前に止め、自分の正体も明かす。怒ったタメルラーノは二度も自分を裏切ったアステリアを、飢えた奴隷の餌食にすると宣告する。娘アステリアと自分の運命に絶望したバヤゼットは、一同を呼び集めた前で毒を飲み、地獄に行って復讐すると言いながら息絶える。アステリアは父の後を追おうとし、アンドロニコも自害しようと剣を取る。しかし誇り高いバヤゼットの死によって怒りが鎮まったタメルラーノは、悲しむアステリアとアンドロニコの結婚を許し、自分はかつての約束通り婚約者イレーネを后にすると伝え、「夜の闇に美しい朝の光が差す」と四重唱で平和を賛歌して幕となる。