カキ(Huître:Oester)を召し上がれ!

華やかなクリスマス・イルミネーションに心踊る季節! 普段はムール好きのベルギー人も、この時ばかりはちょっと気取ってカキ(牡蠣:Huître:Oester)を楽しむそうです。大晦日のレヴェイヨンには“カキとシャブリ”で夜通し騒ぐとか。古くは、ジュリアス・シーザーやナポレオンも好んだというカキ。最近では、サッカーワールドカップフランス大会で優勝したフランス代表チームもカキを欠かさず食べていたそうです(カキ好きのフランス人なら当然?!)。そこで今回は「海のミルク」と呼ばれる栄養満点のカキのお話です。

こちらでよく見られるものは主に2種類。日本でもお馴染みのゴツゴツで細長い殻の「クルーズ(Creuse)」と、比較的滑らかで丸い殻が特徴の「プラット(Plate)」です。もし、それらの名前の横に「N°2」とか「00」と書かれていたら、それは“重さの等級”のこと。クルーズの「N°」は数字が小さくなるほど重く、プラットは「0」の数が多くなるほど重いということを表わします。“ところで、クルーズとプラットどっちがオイシイの? ”う〜ん、それは産地や個人の好みによるようですよ。

有史以前から食されていたといわれるこのカキ。養殖もヨーロッパではローマ時代から、中国ではもっと古くから行われていたようです。現在も日本は勿論、米国、豪州、フランス、韓国、中国など各国で養殖が盛んに行われています(生産量は中国、日本、韓国、フランスの順)。ベルギーに入ってくるカキは、主にオランダのゼーランド(Zeeland)とフランスのブルターニュ地方からのもの。中でもブルターニュ地方の“クルーズ・ドゥ・ブルターニュ”と“プラット・ブロン(Belon)”は好まれるようです。

ところでカキには、現代人に不足がちなカルシウムや亜鉛(他の貝の10倍以上!)他、ミネラル分が一杯。しかも高タンパクで低カロリー。移動しない分(岩礁等に付着)、栄養素をため込む力が強いそうです。なるほど、哺乳類の“乳”のように栄養価が高いので「海のミルク」と称されるのですね。とはいっても、カキは何といっても“新鮮さ”が勝負! 買うなら近くの信頼の置けるお店で購入するのが良いでしょう。モチロン開けたらすぐに食べましょう。ワインは何にしましょうか? シャブリ?ミュスカデ?それともシャルドネあたり? さあ、レモンをタッブリ絞って、噛まずにスルっと飲み込んで…あぁ、最高ですね!

ただし、体力の低下している時に食べると食中毒を起しやすいそうですので気をつけてください(サルモネラ菌等の食中毒菌、ウィルスsrsv、牡蠣が食べた有毒プランクトン等が原因と見られている)。食中毒予防には75度以上で1分以上加熱すると良いそうです

Creuses

かつてフランスのカキが病気で全滅した時、日本から種カキを輸入し養殖したと言われている。

Plates

カキはイタボガキ科の二枚貝の総称。雌雄同体。普段は雄性、繁殖期に雌性が現れる。「食べるなら“R”のつく月(9-4月)」といわれるのは、一般的に夏は産卵期にあたり食用に適さないため。(夏に食べられる種類もある)

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