ヨーロッパの保存食
BACALAHAU バカラホー
BACALAHAU(バカラホー)という食べものをご存知ですか? ポルトガルの一番人気の食材だそうです。普通は鱈(たら)で作られていますが、生の鱈ではありません。塩漬けの鱈です。BACALAHAU
の製造は古代ヨーロッパから行われているそうです。当時から、大西洋でたくさんの鱈が釣られていました。冷凍庫がない時代の暑い国では漁期以外にその魚を腐らせずに保存する必要がありました。
そこで思いついたのが、塩です。
まず魚から臓物を取り除いで魚をよく洗い、そしてたっぷりの塩を振り掛けて岩の上に置きます。太陽の光で徐々に鱈を干していきます。少なくとも1ヶ月おくと、最後には魚が板のようになります。勿論そのままではショッパくて食べられません。
買ってきたらまず、小さく切って冷水につけ、2時間ごとに水を替えます。24時間後、塩分が抜けた時には魚の味も変って、美味しくなっています。
スペインでは塩抜きにしたBACALAHAUは
生で食べられています。人気のtapas(ワインと一緒に食べるsnackの類)の一つです。また、カルパッチョ風に薄い切り身にした生
BACALAHAUもあります。
他にも色々な料理法があります。バーベキューやコロッケ、煮物、天ぷらなどです。天ぷらは日本の天ぷらの衣とほぼ同じ。小麦粉を常温の水のみでときます。
どこでこの名物が見つけられるのでしょうか。主に市(マルシェ)ですが、スペイン・イタリア・ポルトガルの食品店でも手に入ります。
スモーク魚いろいろ
スモークサーモンはお馴染みの食材ですね。サーモン以外もいろいろな魚のスモークがあります。
Maquereau Fumé [さばのスモーク] 塩味と風味がマッチしていて焼いて食べるとご飯が進みます。粒こしょうつきのもありますがこれは辛党向き。
Anguilles Fumée [うなぎのスモーク] うなぎ好きのフラマンの人はそのまま前菜にしたり、料理に使ったり、愛用しています。どうしても、うなぎの蒲焼が作りたければこれをグリルにしてもできる。ただし、本物より柔らかく、味はなんとなく洋風になります。
Hareng Fumé [にしんのスモーク] 淡白な味。これを甘辛く煮付けてもにしんそばにはなりません!(にしんそば、ご存知ですか?)
Flétan Fumé [おひょうのスモーク]歯ごたえがしっかりしていて、お酒のおつまみにいい。
バカラホーのトマトソース煮
材料(4人分)
バカラホー
玉ねぎ1個
トマトジュース
オリーブオイル 適量
こしょう、パセリ適量
作り方
1. バカラホーをたっぷりの冷水に一晩つける。
2. オリーブオイルで玉ねぎのみじん切りとバカラホーを5分ほど炒め、バカラホーを取り出す。
3. 同じ鍋にトマトジュースを注ぎ30分間弱火で煮詰め、コショウ、パセリを加える。
*バカラホーに塩分があるので、塩を加えない。
4. 取り出したバカラホーを鍋に戻し、30分間煮込む。