ベルギー歳時記〜サンニコラから大晦日まで
気ぜわしいけれど、うきうきと心弾む12月。
ベルギーには「2度クリスマスが訪れる」(12月6日サンニコラと12月25日クリスマス)というのはよく知られていることです。
ベルギー人たちの12月は、ご馳走やプレゼントの準備で忙しく過ぎるようです。
12月6日 サンニコラSt-Nicolas/Sinterklaas
子供たちにとってプレゼントがもらえる楽しみな日。前日5日の夜、子供たちはサンニコラとお伴のブラック・ピーターとロバのために、ビール(水、という家庭もあります)、にんじん、角砂糖を暖炉の前に用意します。また、自分たちの靴あるいは上履きにサンニコラ宛の手紙を添えて、一緒に置いておきます。サンニコラたちが来た、という証拠を残すために、両親はビールを飲んだり、にんじんをかじっておいたり、足跡をつけておいたり、といろいろ演出します。そして、おもちゃやお菓子(マジパンの子豚やオレンジ、動物の形をしたチョコレート、サンニコラをかたどったスペキロスなど)を置いておきます。もっぱら、子供たちがプレゼントをもらうのが主な目的で、特別な食事などはありません。
12月25日 クリスマス Noël/Kerstmis
家族で過ごす大切な日です。24日クリスマスイブに特別な食事Réveillon de Noël(仏)/Kerstavond(蘭)をとります。食事はフォワグラ、キャビア、七面鳥など、普段は食卓に上らないご馳走が並びます。そして食事後、深夜のミサに出かけるのです。深夜のミサはクリスチャンでなくても参加可。家族によっては、25日の昼食にご馳走をいただくこともあります。プレゼント交換も、もちろんあります。子供たちにとってサン二コラの日と少し違うのは、セーターや本など、やや実用的なものが贈られること。大家族だと贈る相手の数が増えてたくさんのプレゼントを用意しないといけなくなるので、あらかじめ誰が誰に贈るかというのを決めておいて、一人にひとつプレゼントを用意することもあるそうです。
25日の朝には、クニュCougnou(仏)という赤ちゃんのキリストの形をしたパンを食べる家庭もあります。このパンはパン屋さんではもちろん、最近ではスーパーでも買えます。クニュの発祥地はワロン地方エノー州だそうで、フラマン語でもクニュと言うようです。でも「そんなものは知らない」というフラマン系の人もいるとか。
12月31日 大晦日 LaVeille
du Jour de l’An/Oudejaarsavond
クリスマスが家族のための日なら、大晦日は友人と過ごす日。この日の食事はRéveillon de Nouvel An(仏)/Oudejaarsavond(蘭)といいます。これ以上お腹に入らないというくらい、ただひたすらご馳走を
食べ、シャンペンやワインを飲み、友人同士でドンチャン騒ぎ。大晦日はレストランも特別なメニュー
を用意していますが、予約をするならお早めに!
☆☆☆☆☆こんな過ごし方はいかが?☆☆☆☆☆
・アウトドアの楽しみ〜寒さに強い方へおすすめ
ボクレイク野外博物館BokrijkOpenluchtmuseum(リンブルグ州立公園の中)。工芸品販売や劇団やアクロバットの催しなどが行われます。
(2002年12月26日〜29日 開館時間13時〜21時)
Domain
Bokrijk, 3600 Genk TEL/011.26.53.00
・やっぱり外は寒いという方へ
人形劇観賞。ベルギーで最も有名な劇場のひとつがブリュッセルのThéâre de Royal Toone ・。クリスマスイブと大晦日に特別ショーがあります。人形劇場で有名な街は他にゲント、アントワープ、リエージュ、メッヘレンなど。
Théâre
de Royal Toone ・/Petite Rue des Bouchers, 1000 BXL
TEL/02.551.71.37
・「除夜の鐘」アントワープ版
新年が明けた零時、港に停泊中の船が一斉に警笛を鳴らします。