世界遺産を訪ねて ベルギー鐘楼巡り(2)『デンデルモンド Dendermonde
要塞都市として発達したデンデルモンドは、ちょうどDender川とSchelde川の交わる所にあります。はっきりとした定説はありませんが、その歴史はローマ時代に始まるとも言われています。
古い建物が残されている一方で、新しい商店街が賑わいを見せ、街は活気にあふれています。商店街から北へ歩いて5分ほど、中世のたたずまいを残すグロートマルクト(広場)に出ると、まっ先に目に入ってくるのが堂々とした風情の鐘楼です。鐘楼は市庁舎に組み込まれていて、1377年に建てられました。市庁舎はもともと繊維会館として1336年から1350年にかけて建設されたものです。1914年、ドイツの侵攻により街とともに鐘楼と市庁舎も損壊しましたが、建物はかろうじて残り、1921年に補修され、現在に至っています。
鐘楼のカリヨンの鐘は49個。一番大きいものは1200kgもあるそうです。カリヨンは毎日15分毎に自動演奏されます。また、毎週日曜・月曜には午前11時から12時まで、専属のカリヨン奏者による演奏が行われます。バッハ、ベートーベン、チャイコフスキーといったクラシックから、時にはエルビス・プレスリーのナンバーまで登場することもあります。このカリヨン奏者は普段は学校でピアノを教えたり、バレエ学校でピアノ伴奏をしたりしており、カリヨンのためのアレンジはすべて自分で行っているそうです。
鐘楼に登れるのは年1回(毎年6月中旬)。今年は6月16日(日)で既に終わりましたが、2003年の予定は6月15日(日)です(無料、予約は不要。午前10時から12時までと、午後2時から4時30分まで、1回の定員6人。当日、直接、市庁舎1階のインフォメーションに行ってツアーに参加したい旨を伝えれば案内してくれる。スタートは約30分おき)。ガイドによる鐘楼の説明が10分ほどあり、その後鐘楼に登り、カリヨン奏者自らがカリヨンについての解説をして実際に目の前で演奏してくれます。
そぞろ歩きスポット
●聖母教会
Van Dijckなどの宗教画が収蔵されています。絵画が鑑賞できるのは、復活祭から9月までの土・日と、7、8月の毎日、14:00〜18:00
●考古学博物館
元は肉屋組合の建物。先史時代の化石や民俗品を展示。無料。開館時間/9:30〜18:00(12:30〜13:30休憩)休館/月曜(聖霊降臨祭の翌日は除く)、11月〜3月の祝日
●St.Alexiusベギン会院(17世紀)
世界遺産。中庭を囲むようにして61戸の集合住宅があります。11 番の家が博物館になっています。開館時間、休館日は考古学博物館と同じ。
●ブリュッセル門
古代の城壁の一部だったもので、現在は公園への入り口になっている。
♪♪鐘楼ひと口コラム♪♪
カリヨンで演奏される音楽は、お馴染みのクラシック曲も多いのですが、カリヨン演奏用にアレンジされています。音をわざと抜いたりなど原曲の音符通りには演奏されません。それは鐘と鐘とがお互いに響き合う効果をちゃんと計算しなくてはならないからなのです。また、バッハの時代には既にVan den Gheynという人の手によるカリヨンのオリジナル曲ができていたそうです。
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★デンデルモンド豆知識★
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※ 主なお祭り/三人の巨人の行進(2002年8月29日)、Ros Beiaardの祭り(伝説の魔力を持つ馬の物語を行列で再現。10年に一度開催され、次回は2010年)
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※ もうひとつの世界遺産/ベギン会院
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※ 食べ物/Dendermonde
Witten in Pauwel Kwak(Pauwel Kwakという古いレシピによって醸造されたビール、香辛料、干しぶどうで料理されたうさぎの肉)
※ビール/Malheur(フランス語で「不幸」という意味。デンデルモンドの地ビール)