栄養いっぱい! 芽キャベツ 1月号ではベルギーを代表する野菜、シコンを取り上げましたが、今月も冬野菜のひとつ、芽キャベツについて紹介してみましょう。そう、キャベツの赤ちゃんのようなミニサイズの野菜のお話です。 芽キャベツは他のアブラナ科の野菜同様、地中海沿岸に原生しているケ―ルが祖先で、ベルギーで改良されて現在の形になったという比較的新しい野菜です。その開発地にちなんで、英語では「Brussels sprouts」、フランス語でも「choux de Bruxelles」、フラマン語で「Brusselse spruiten」と「ブリュッセル・キャベツ」という名前をもらっています。日本には、明治の初めに輸入されましたが、本格的に栽培されるようになったのは1950年代以降だとか。 さて、この芽キャベツ、でき始めのキャベツの若い芽を収穫しているのかというと、そうではなく、これはキャベツの仲間のうちでも茎が太く伸びる種類で、その葉柄の付け根にビッシリついたわき芽をかき取ったものです。その生育の姿から、別名「子持ちカンラン」とも呼ばれています。普通のキャベツに比べて暑さに弱く、晩秋から冬の旬の時期以外での収穫は難しいようで、季節を感じさせる野菜といってもいいでしょう。 栄養的な面に目を向けてみると、ビタミン類が豊富で、中でもビタミンCは普通のキャベツの3倍含まれています。また、血液の凝固を助け、骨粗しょう症の予防に効果があるというビタミンKのほか、胃腸の潰瘍や炎症を改善する働きのあるアミノ酸や、抗がん作用のあるイソチオシアネート、カリウム、マグネシウム、鉄分など、小さな体にたくさんの栄養が凝縮されていると言っても過言ではありません。(ちなみに、胃腸薬のキャベジンというのは、キャベツの汁からできたということを、皆さんはご存知でしたか? ―なるほど、そう言われてみると確かにそうかも…。) ただ、これだけ栄養いっぱいの芽キャベツも、甲状腺疾患や血栓予防の薬などを使っている場合には薬の効き目が低下してしまうこともあるので、控えたほうがよい場合もあるようです。 また、味のほうもやや濃厚で、苦味があるのが特徴です。根元に軽く十文字に切込みを入れて、塩を加えた熱湯で下茹ですれば苦味が和らぎ、甘味も出てきます。2度茹でした後バターで炒めて肉料理の付け合せに、野菜をたっぷり使ったポトフやスープに、茹でた芽キャベツをマヨネーズで和えてサラダで、といろいろ試してみてください。煮込み料理の場合、加熱しすぎると煮崩れてしまうので気をつけましょう。
〈材料〉 4人分 芽キャベツ 500g ホワイトソース 1、 じゃがいも、にんじんは一口大に切って下茹でをする。芽キャベツも軽く茹でておく。 2、 薄くスライスしたたまねぎとベーコンを炒めて、1の茹でた野菜を加え、さっと混ざる程度炒め塩、コショウをする。 3、 2にホワイトソースを加えて野菜に絡める。 4、 3をグラタン皿に入れ、その上にチーズをのせてオーブンへ。チーズに焦げ目がつけば、できあがり! 熱いうちに召し上がれ!! ☆ブロッコリー、カリフラワーなど冷蔵庫の中の残り野菜を利用して、簡単に作れます。ホワイトクリ−ムで煮込むだけでもおいしいですよ。
2.2003
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