カーニバルへのお誘い

 お祭りが盛んな国ベルギー。中でも毎年2〜3月のカーニバルの時期には、各地で個性的な祭りが賑やかに行われます。そもそもカーニバル(仏、蘭ともCarnaval)とは、キリスト教で復活祭前の斎戒期にあたる四旬節(灰の水曜日以降の日曜日を除く40日間)に、キリストの断食修行にならって肉を食さない慣習があったので、その前日の火曜日にコッテリした物を食べだめした事(Mardi−gras)に始まる謝肉祭のことをいいます。中世から続く宗教にちなんだ伝統的なカーニバルの多くは、四旬節に先立って行われますが、地域によってはこの四旬節の間に開催される所もあります。禁欲的な生活を前にした飽食の祭典ともいえるのではないでしょうか。
その中のひとつ、ヨーロッパでも有名なオステンドのカーニバルをご紹介しましょう。

 ここのカーニバルには、「Bal du Rat Mort−死んだネズミの舞踏会」という何とも奇妙な名前が付いています。その由来をたどってみると、19世紀後半に町の慈善団体が、パリのモンマルトルにあるキャバレー“ Le Rat Mort "(死んだネズミ)の名を取った舞踏会を、画家のジェームズ・アンソールJames ENSORの演出で始めたことによるのだそうで、同市の劇団にもこの名が付けられました。1世紀以上の伝統を持つこの舞踏会の目玉は、その名のとおり、もちろん「ネズミ」。毎年、約4000人もの人々が、ネズミやその年のテーマにちなんだ仮装をして踊り明かします。対岸のイギリスから、海を渡っていつも見に来る人も少なくないとか。(今年は3月1日午後9時から開催、テーマは‘ハバナ’。その他の詳細については、オステンド観光局 рO59/70.11.99まで。)

 



ベルギー各地のカーニバル情報          
2月27日〜3月4日 クワーメのカーニバル* MALMEDY
3月1日〜4日 Grosse−Biesseのカーニバル MARCHE-EN-FAMENNE
3月2日〜4日 ジルのカーニバル* BINCHE
3月15日・30日 熊のカーニバル ANDENNE
3月30日 ブラン・ムーシのカーニバル* STAVELOT
3月30日 シネルのカーニバル FOSSES-LA-VILLE
 *印のカーニバルについては、プチポワ bW3(2000年2月号)で紹介しています。              



             

 

2.2003

 

 

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