ベルギー鐘楼巡り (6)『リール Lier』

 リールはネートゥNete川本流と支流に囲まれ、街の真ん中を運河が1本通っています。小さいけれども瀟洒な街です。遺跡から発掘された貨幣によれば、街の歴史はローマ時代までさかのぼりますが、その名が記録に登場するのは12世紀に入ってからです。1212年、ブラバント公によって市としての権利を認められ、13世紀から14世紀にかけて、牛の取引市場と繊維工業で街は大きく発展し、「小さな楽園」とまで呼ばれるようになりました。

 そぞろ歩きスポット

●ジム−ルの塔 Zimmertoren

 リールの時計職人ルイ・ジム−ルLouis Zimmer(1888-1970)が製作した天文時計の塔。街のシンボル的存在です。14世紀の城壁の一部だった塔を改築し5年の歳月をかけ、1930年に完成。塔の正面に設置された時計には13個の文字盤が取り付けられ、時刻、日付、月の満ち欠け、潮の干満などを示しています。まず向かいの展示館でチケットを購入、テープによる解説を聞きながら館内の展示物を見学し、その後、塔へと移動、時計塔の仕組みを中から見学できます。

開館時間:4月〜9月/10:00〜12:00、13:00〜18:00、3月・10月/10:00〜12:00、14:00〜17:00、11月〜2月/10:00〜12:00、14:00〜16:00 
年中無休
入場料:2ユーロ

●グロートマルクト Grote Markt

●市庁舎/ロココ様式。木造の螺旋階段が素晴らしい。リール出身の画家 IsidoorOpsomerの作品も展示されています。

●かつての肉屋会館の建物/15世紀に建設。1920年ネオゴシック様式で再建。現在はカルチャーセンターとして利用されています。

●牢屋の門Gevangenenpoort/1375年に街の城壁の門として建設。16世紀後半から1930年まで牢屋として使用されていたので、こう呼ばれています。

●聖グマルス教会 St. Gummaruskerk/ステンドグラスが美しい。ルーベンスの祭壇画もあります。

● ベギン会院

● レストラン「de Fortuin」/昔、穀物倉庫だったそうで、その後も用途をいくつか変え、現在はレストランになっています。運河に面した側には船が浮かべられていて、ここでも食事ができるようになっています。

●「Hermans」/特産菓子Lierse Vlaaikesが食べられます。もちろん他にもケーキが何種類かあります。中に入ってティータイムをどうぞ。お菓子は持ち帰りも可。

● ワイン専門店/オーストラリアのワインばかりを扱っています。試飲もさせてもらえます。開店時間:毎週金、土、日曜、13:00〜19:00

 

 

★リール豆知識★ ※ビール/Caves ※お菓子/リールス・フラーイケス Lierse Vlaaikes。リールの特産、言わば「ご当地饅頭」。直径約5センチ、高さ約1センチの茶色の丸いお菓子。パン屋さんで売っている。 ※もうひとつの世界遺産/ベギン会院 ※有名キャラクター/パリートゥルPallieter。リール出身の作家FelixTimmermans(18886-1947)の小説『Pallieter』の陽気でちょっと反体制的な主人公。 ※街のニックネーム/「羊の頭」。1425年ブラバント公ヤン4世に「羊の市場と大学設立、どちらの許可が欲しいか」と聞かれたリール市民が、学生が面倒を起こしたら困る、と羊の市場のほうを選んだ、という話からつけられたあだ名。同じ年、ルーヴェンは大学設立の許可を受け、世界で最古のカトリック大学を有するに至った。

 

1.2003

 

 

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