西洋補助医療事情 その2:オステオパシー [Osteopathie(仏) Osteopathie(蘭)] [歴史] 19世紀後半のアメリカ開拓時代、機械好きの巡業医師ドクター・スティルはある時ふと「人間の体も機械のメカニズムと似たところがあって、筋骨格系が正常であって初めて正常に機能するのではないか」と考えつきました。彼はその後、我が子3人を髄膜炎で亡くしたことなどをきっかけに近代医学の限界を感じ、体に本来備わっている自然治癒力を促進する治療法を本格的に研究し始めました。試行錯誤の末、彼が“筋骨格系を調整することにより、乱れていた循環系や神経系のバランスを取り戻し、健康を保つ”オステオパシー医学の基本原理を確立させたのは19世紀末のことです。オステオパシーという言葉はギリシア語のosteon (骨)とpathos (病む)からきています。その後、オステオパシー技術は20世紀初頭にはイギリス、日本に伝えられましたが、日本では当初、他の療術とあわせて編み出した療法が「整体術」として紹介されたため、「オステオパシー」という名前の広まりが遅れたようです。
[効能] 腰痛、頭痛、肩こり、ムチウチ、神経痛などの直接筋骨格系の疾患の他、婦人科、内臓疾患等にも効果があると言われています。また、消化・吸収・排泄・循環・思考などや五感の神経(視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚)を整えます。ケースにより、数回、あるいは継続的な施術により回復を目指すのが一般的です。
[ベルギーでは] イギリスで教育を受けたオステオパット(施術士)が、最初にベルギーで治療院を開設したのは1970年のことです。その後、国内にも教育機関や協会が設立され、一般への認知度は徐々に高まってきています。キネジセラピストとの兼業が多く、街を歩いていると看板を見かけることも。キネと違い医師の診断書を必要としませんが、その分治療費の保険還付はわずかです。一般医に尋ねれば、適当な治療院を紹介してもらえます。
10.2003
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