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♪ Les Huguenots「ユグノー教徒」

by hidepost, le 5 fév 2022

作曲:Giacomo Meyerbeer(マイアベーア1791~1864)

内容:フランスでのカトリック(旧教徒)とカルヴァン派(新教徒)の宗教戦争中に起きた、1572年8月の「聖バルテルミの虐殺」の史実をもとにA. E. ScribeとE. Deschampsが台本を書いた。マイアベーアがパリ・オペラ座向けにフランス語のグランド・オペラとして作曲した2作目のオペラで、当時1000回を超える上演となる大成功を収めた。このオペラは、永遠の愛の美しさとともに、現在新たに犠牲者を生むあらゆる不寛容に対する告発として、その意義が再評価されている。 全5幕3場 仏語

第1幕:
ユグノー戦争(カトリック(旧教徒)とユグノー教徒(新教)との争い)のさなか、ネヴェール伯爵(バリトン)が自宅で宴会を催し、彼がユグノー教徒の騎士ラウル(テノール)も招いたと言うので貴族たちが驚く。彼は「国王も新・旧教徒の和平を願っているのだ」と取り成して、現れたラウルに、余興に恋の歌を歌ってくれないかと頼む。ラウルが、ある日助けた名も知らぬ婦人に対するロマンス≪白貂より白く≫を歌うと、彼の従者マルセル(バス)も現れ、マルセルはユグノー兵士の歌 ≪Piff, Paff≫を歌い、面白い内容に皆は喜ぶ。そこへ急な来客としてネヴェール伯爵の許婚でサン・ブリス伯爵の娘ヴァランティーヌ(ソプラノ)が来て、ネヴェール伯爵は席を立つ。彼女は、マルグリット王妃が新・旧教徒の争いを収めるためにユグノーの騎士との結婚を命じたので、ネヴェール伯爵との婚約を解消しなくてはならないと告げに来たのだ。他の客たちと一緒にヴァランティーヌの姿を覗き見たラウルは、彼女こそ、いつか自分が助けて以来忘れられない婦人であることに気付くが、2人の様子から彼女がネヴェール伯爵の愛人だと思い込んでしまう。そこにマルグリット王妃の小姓ユルバン(メゾソプラノ)が、王妃の「今晩目隠しをして古い塔まで来るように」と書かれたラウル宛の手紙を持って来て渡し、ラウルはそれに従う事にする。伯爵らはその手紙が王妃の直筆であることを認めて、ラウルに対する態度を改めて彼を見送る。

第2幕:
その夜、マルグリット王妃(ソプラノ)の城館で、ヴァランティーヌが王妃に「ネヴェール伯爵との婚約は解消出来たが、父が新教徒との結婚を決して許さないだろう」と伝えると、王妃は自分がその口添えすると約束する。そこへ、王妃の手紙に従って目隠しをしたラウルが通され、女官たちは凛々しい騎士の姿にため息をつき、王妃の命令で退く。王妃は、国王が旧教徒と新教徒の争いを収めるために、新教徒の長である貴方と、旧教徒のサン・ブリス伯爵の娘との結婚を望んでいるとラウルに話し、ラウルは承諾する。ネヴェール伯爵とサン・ブリス伯爵(バリトン)が登場し、王妃はラウルとサン・ブリス伯爵に、今回の結婚によって新旧両派が永久に平和であるように誓わせ、サン・ブリス伯爵の娘ヴァランティーヌをラウルに引き合わせる。以前出会って以来互いに惹かれていた2人は、思いがけない再会に驚き、その2人に、王妃は国の和平のため結婚するようにと願う。しかしヴァランティーヌがネヴェール伯爵の愛人だと思い込んでしまっているラウルは、彼女とは結婚出来ないと言い、両派は互いに決闘だと叫び大混乱となる。

第3幕:
パリ。居酒屋からはユグノーの兵士たちの合唱、教会からはカトリックの祈りの合唱が聞こえ、ジプシー娘たちはジプシーダンスを踊っている。ラウルとの結婚が取り止めになったため、ネヴェール伯爵とその日結婚式を挙げたヴァランティーヌが、教会に1人残って祈りを捧げている時、ラウルの従者マルセルが、教会から出たサン・ブリス伯爵にラウルからの決闘状を渡す。サン・ブリス伯爵は部下に、このことはネヴェール伯爵には内密にするように言うと、部下は、ラウルを闇討ちにする罠を仕掛けたので決闘をする必要はないと言う。それを聞いたヴァランティーヌは、顔にヴェールをかけてマルセルを探し、ラウルの危険を忠告するが、時すでに遅し、ラウルがやって来てしまう。マルセルがこれは罠だとささやくが、ラウルは逃げず、旧教徒の敵に囲まれてしまう。マルセルが叫んで助けを求めると居酒屋からユグノー兵士が出て来て、その場は新教徒と旧教徒の戦いになる。そこへ偶然通りかかったマルグリット王妃が両者に剣を収めさせて事情を聞く。マルセルが「ヴェールで顔を隠したその婦人が証人だ」と叫び、彼女がヴェールを取ると、それはサン・ブリス伯爵の娘ヴァランティーヌであった。ラウルはこの女性をネヴェール伯の館で見てネヴェール伯爵の愛人だと思ったと言い、王妃がその日は自分が命じて彼女の婚約を解消に行かせたのだと初めて真実を告げる。しかしそこに元の婚約者ネヴェール伯爵が現れ、今日このヴァレンティーヌと結婚式を挙げたことを明らかにする。

第4幕:
ネヴェール伯爵の館で、ヴァランティーヌが愛の無い結婚をしたことを嘆いていると、ラウルが最後の別れを告げに来る。父サン・ブリス伯爵と夫ネヴェール伯爵が来るので、彼女はラウルを隠し、彼らが鐘の音を合図に新教徒全員を虐殺する計画を話すのを聞く。ネヴェール伯はその虐殺計画を拒絶したために逮捕されて殺され、ヴァランティーヌは夫を尊敬する。皆が去った後、ヴァランティーヌとラウルは互いの愛を告白するが、ラウルはひき止める彼女を振り切って、新教徒たちに危険を知らせるためにバルコニーから飛び降りて行く。

第5幕:
ラウルが新教徒たちの集う場所に駆けつけて、皆に危険を知らせるが、ユグノー教徒の惨事は始まってしまう。ヴァランティーヌは、負傷したラウルとマルセルのいるユグノーの修道院に駆けつけ、命を救うためにラウルに改宗を勧めるが、彼は受け付けない。彼女は夫ネヴェール伯が殺害されたと告げ、自分がユグノーに改宗すると言い、マルセルから洗礼を受ける。パリまで逃げた3人は、サン・ブリス伯爵に見つかり追いつめられる。「誰だ」という問いに「我々はユグノーだ」と宣言して銃殺された3人の遺体に近づいた伯爵は、その1人が自分の娘であったことを知り愕然とし、幕が下りる。