Skip to content

♪ Norma「ノルマ」

by hidepost, le 30 août 2021

作曲: Vincenzo Bellini(ベリーニ1801~1835)

内容:1831年30歳のベリーニが、オペラ「夢遊病の女」で成功した時と同じ台本作家のF. Romaniと制作した、作曲者の10のオペラの8番目の作品。 ノルマ役はソプラノ歌手にとって最も難度の高いものの1つで、ノルマのアリア「清らかな女神よ(Casta diva)」は特に有名。オペラの設定は古代であるが、現代人にも通ずる愛憎の三角関係が、美しく凛としたメロディで描かれ、それはまさにオペラというものの醍醐味である。 2幕 イタリア語

第1幕

ローマ帝国の支配下にある、ドルイッド族の最高祭司の尼僧ノルマ(ソプラノ)は、ローマ人総監ポリオーネ(テノール)と密かに愛し合い2人の子どもがいる。しかし、ポリオーネの愛は既に冷め、若い尼僧アダルジーザ(メゾソプラノ)に心を移していた。ノルマの父でドルイッド族の長、オロヴェーゾ(バス)たちは、ローマの支配に対抗して決起を望んでいるのだが、神の意思を神託として伝えるノルマは、まだその命令を下さない。一方ローマ人を愛してしまった若い尼僧アダルジーザは、信仰と恋の板挟みに苦しみ、ポリオーネの「ローマに行って、2人だけの愛の生活をしよう」という情熱的な誘惑を受けて、ついに上司のノルマに悩みを打ち明けて相談する。相手が誰だか知らないノルマは彼女を優しく慰めるが、そこへポリオーネが現れて、彼女の恋人がポリオーネであることを知り、ノルマは激怒して彼の不実を詰(なじ)る。

第2幕

ノルマは2人の愛児を殺し自分も自殺しようとするが出来ず、侍女クロティルダ(メゾソプラノ)にアダルジーザを呼んでくるように言い、やってきたアダルジーザに、2人の子どもを託して、彼と幸せな家庭を築いて欲しいと頼む。しかし、死を決意して愛を譲ろうとするノルマの気持ちを知ったアダルジーザは、自分がポリオーネから身を引いて彼がノルマの元に戻るように説得すると誓う。しかし、アダルジーザの努力も無駄に終わり、ポリオーネは彼女を連れ去ってしまったと侍女が伝えたことで、ノルマの怒りは爆発し「遂にローマ人と戦うときが来た」とドラを鳴らす。人びとが「戦争だ」と叫ぶ中、神聖なる森に不法侵入したとポリオーネが捕えられる。オロヴェーゾたちは彼を殺そうとするが、ノルマは皆を退場させて「アダルジーザとの恋を諦めるのならば命は助ける」と彼に迫るが、ポリオーネは拒否してアダルジーザの助命を求める。ノルマは再び人びとを集めて「神に背き、祖国を裏切った尼僧をいけにえに捧げる。それは私だ」と言い、父オロヴェーゾに過去を話し、2人の子どもの助命を哀願して、自らいけにえの祭壇に上がって炎の中に消えていく。ノルマの自分に対する愛情の気高さに感動したポリオーネも、彼女の後を追って火中に身を投げて幕となる。