オランダの画家、ゴッホが一時期を過ごした「ゴッホの家」がモンス（Mons仏、Bergen蘭）にあるのをご存知の方も多いと思います。05年暮れから改装のために閉館していましたが、
5月16日、新装オープンしました。展示が充実し、庭や散歩道も整備されました。カフェテリアができ、晴れた日には外のテラスでひと休みできるようになっています。ブリュッセルから約50分。週末のおでかけにいかがでしょう。

　ベルギーとゴッホの関係はあまり知られていないようです。1853年、祖父、父と続く牧師の家に生まれたゴッホは、23歳の時にブリュッセルの福音学校（伝道師の養成学校）に入学します。1878年12月、宣教師として試験的にモンス郊外の貧しい炭鉱地帯に派遣され、極貧生活に苦しむ人びととともに炭鉱で働き、伝導のために尽くします。しかし、彼の熱狂的すぎる態度は教会の反感を買い、ゴッホは牧師になることを断念。失意の中、1879年8月から1880年10月まで住んだこの家で、彼は弟テオに手紙を書きます。「私は再び鉛筆を持ち、絵を描きはじめようと思います…そのとき、私にとってすべてが変わるのです」。ゴッホの足跡はヨーロッパのあちこちにありますが、画家として生きることを決意したこの地は、大きな意味を持っていると言えるでしょう。
森の中に当時そのままの姿で保存されている「ゴッホの家」は、約１年半をかけて改装されました。室内には炭鉱の人たちを描いたデッサン、油絵のほか、手紙などの資料が展示されています。カフェテリアでは、飲み物やお土産を買うことができます。小さな散歩道を歩けば、ゆったりした時の流れを感じるでしょう。

所在地：rue du Pavillon 3, 7033 Cuesmes （Mons）モンス中央から約３キロ
開館時間：火曜〜土曜　10時半〜12時半、13時半〜18時半　
日曜　10時半〜12時、14時〜18時
入館料：大人は€5、10人以上のグループと、12−17才は€2.50、12才未満は無料
アクセス：E19/E40の24番出口Mons→駅から西の方向にある広場Place des Alliesへ→N544　Cuesmes方面へ→la Maison de Van Goghの標示あり（見えにくいので注意）