ベルギーのホットトピック　11月
ベルギー大富豪ランキング

　　「ル･ソワール･マガジン」（フランス語日刊紙系列の週刊誌）に、フラマン人ジャーナリストLudwig Verduyn氏の調査によるベルギーの富豪トップ25が掲載された。一体この小さな国のどんなところにどんな額の富が集まっているのかと、興味津々でページを開くと、まず目に付くのが断り書き…「ランキングには、所有資産がきちんと証明できたものしか含まれていません。また、資産が外国にあったり、内容に不透明な点がある場合も除きました。そして、今回のランキングに登場する家族の所有資産は、あるいはもっと高額である可能性もあります」とのこと。つまり、ランキングはあくまで外側に見える範囲のもので、本当の大富豪はベールの後ろに隠れたままなのかも。

興味の出鼻をくじかれつつも、では正々堂々と資産を公開している富豪一族を拝見してみることに…。

第一位：Philippe de Spoelberch 子爵(Haacht)　
資産30億ユーロ以上。アルコール飲料大手InBevグループの株主。園芸が趣味で、出身地Haacht市に5000本の樹木と2300種の植物を集めたヨーロッパでも有数の植物園d’Herkenrode公園を造園。

第二位：Frere一族（Gerpines）資産29.8億ユーロ。1940年代に釘製造所から身を起こし、金属・鉄鋼産業に投資、その後銀行、保険、エネルギー産業に手を広げ、最後にメディア業界（RTL）でも成功。趣味はワイン。Cheval Blancをはじめとする高級ワイナリーを数多く所有。

第三位：Colruyt一族（Halle）資産25.2億ユーロ。一族の名前を冠する大規模小売店グループは、ベルギーの産業史の中でも有数の成功物語。1965年に最初の安売り店をオープンし、4半世紀の間に国内の同業界でトップの座を争うまでに成長した。

第四位：Vandamme一族（Liege）資産16.2億ユーロ。De Spoelberch一族と並ぶInBevの株主だが、表舞台にはほとんど顔を出さない。

第五位：Boel 一族（La Louviere）資産14.1億ユーロ。1880年に後継者のいなかった雇い主Ernest Boucqueauの資産を相続した経理係に端を発して大富豪に。アルベール2世の婚外子Delphine（1968年生まれ）は1962年に同家に嫁いだSybille婦人の娘。

以下十位までには金融、水運、運送、建設、鉄鋼業界などの実業家が、資産10億ユーロ前後で続いている。

金持ちといえば王家はいずこに？ 国内外のメディアが色々な推定資産額を発表しているが、最も信頼性の高いのが2000年にVerduyn氏がはじき出した数字によるもので、資産総額3億ユーロ、23位に相当する。ただし、王家には一族の持つ私有財産と、王族としての国有財産があり、これは私有財産だけを計算したものだ。ラーケン宮殿やナミュール地方のCiergnon城などをはじめとする多くの不動産は国有財産にあたり、それらの合計は推定4.5億ユーロ。

と、そこでため息をついている貴方、こんなことで驚いてはいけない。世界一の富豪、メキシコ人Carlos Slim Helu氏の財産は410億ユーロ（米・Fortune誌）。ベルギーの富豪ランキングなど、その足元にも及ばないのだ・・・。