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ベルギーのホットトピック 2月 Belgacom苦渋の年明け 昨年11月、IBPT/BIPT（ベルギー逓信委員会）は国内のインターネット関連市場の調査結果を発表、同時に元国営で、現在も国が過半数シェアを所有する逓信会社Belgacomに対し、同社が整備したVDSL2*を同業他社とシェアするよう要請した。 2003年以来、BelgacomはBroadwayと呼ばれる超高速回線の開発に3億7700万ユーロ余りを投資してきた。この回線により、今年3月からは人口の60％が20Mbpsの高速通信網を利用できるようになる。「この回線を開発した第一の目的は我々のハイデフィニション・テレビ網を普及させることです。国内のどの地域においても、我々がテレビ市場で独占的シェアを占めているところはありません」。 Belgacomは、これまで欧州の独禁法から逃れ続けているケーブルテレビ業界**と同じ扱いをされるべきだ、と主張する。 「競合各社はBelgacomが商品やサービスを開発するのを待って、いざ完成すると、それを自分達にも提供させろと言ってきている、そういう状況なのです」とPatrice d’Oultremont氏は説明する。 一方、IBPT/BIPTはBelgacomとの論争を避けている。委員長のEric Van Heesveelde氏は、「我々は決定をすべて明確に公表しており、関連各社はそれに対して公式に反論する権利を持っています。」と説明し、同時に欧州規約や提案についての見解がBelgacomとは異っている点も示唆した。
これに対してBelgacomはReding委員のコメント直後に、「欧州委員会の調査内容はすべては公表されていません。我々はIBPT/BIPTの決定に反対する立場を変えません。」と発表。「我々は競争状態が激化することに反対しているのではなく、インフラ整備に巨額の投資をした我が社だけが規制の対象となるのは不当である、と考えるだけです。」また、フランドル地方のケーブルテレビ会社Telenetの同地方における独占状態が正確に調査されていない点を指摘した。 IBPT/BIPTは欧州委員会の全面支持を受けて、さっそく規制の施行日などについて検討を進める意向だが、Belgacomはブリュッセルの高等裁判所に控訴する構えを崩していない。 同高等裁判所は2006年秋にも、IBPT/BIPTと携帯電話会社Proximusの同様の規制紛争に判決を下したばかりで、今回の判決にも関係者の注目が集まるのは必至だ。
*VDSL2 = Very High Speed Digital Subscriber Line 2 (超高速デジタル加入者線2) **ここ数ヶ月の欧州委員会の活発な動きから、ケーブルテレビ業界の状況も変化が予想されている。近い将来に規制を導入する前兆とも見られ、実際、昨年11月には既に「各国はそれぞれの状況に応じて市場調査を行い、規制整備をするように」との委員会意見が発表されている。また、ケーブルテレビの普及率が高いドイツでは、欧州委員会がドイツ政府の反対を押し切って、国営ドイッチェ・テレコム社に対し、VDSL市場の開放を命令した例もあり、欧州レベルでの高速ブロードバンドサービス競争全体で今後規制の動きが活発化しそうだ。 |
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1月3日、欧州委員会のViviane Reding委員（情報社会・メディア担当）は、BelgacomにVDSL2回線を競合各社に開放させることでベルギーの高速通信市場の競争を促そうとするIBPT/BIPTの決定を全面的に支持することを発表した。「ベルギー当局の、高速通信市場の競争状態への介入を支持します。現在、ベルギーの消費者は高速通信サービスにヨーロッパ内でも比較的高額を支払っている状態です。迅速に規制を整備することは、サービスを提供している会社間の競争を促し、消費者への費用負担を軽減させるための大切な方策です」。 