ふらっと発見 珍味美味の旅 その1 フォアグラ

日本で「世界三大珍味」と呼ばれるのは「フォアグラ」、「トリュフ」、「キャビア」です
が、ヨーロッパでもこの三品は高級贈答品ブティックのウィンドウーを飾る、贅沢グル
メ食材の代表格です。なかなか毎日の食卓には乗りにくい三品ですから、「実は味を
よく知らない」、「どんなものなのか食材自体を見たことがない」
という人も少なくないかもしれません。そんな贅沢珍味の
真相を調査してみました。

生産の実態は？

現在、世界で生産されるフォアグ
ラの80％以上がフランス産です。鴨
やガチョウはどこでも飼育できるも
の。ではなぜこれほどまでにフォアグ
ラがフランスに集中しているかには
わけがありました。
強制的に餌を与え続けて鳥がもう自力では
動けないくらいに太らせる、という方法は動物
虐待に当たるとして、世界各地で動物愛護団体が大々的な反対運動を行っていまし
た。そんな世論を受け、1999年、CE (欧州
評議会) 加盟35カ国は 「すでに定着してい
る場合を除く新たなフォアグラ生産」 を禁
止。その後も、北欧、イギリス、ドイツ、イタリ
アなど、各国が次々に生産を全面禁止する
傾向にあり、生産地は年々減少しています。
そんな反フォアグラ世論の一方で2005
年、フランスは 「フォアグラとその料理はフラ
ンス文化の貴重な財産であるため、強制飼
育も他に方法はなくやむを得ない」 として、
フォアグラ生産販売を擁護する農業法を採
択していたのです。そして、ベルギーはというと、やはりフランス
食文化の影響が強い国だからでしょうか、フ
ランス、ハンガリー、ブルガリア、スペインと
並び、ヨーロッパで5カ国だけ残ったのフォア
グラ生産国としてしっかり名前を連ねていま