イヌとともに走る。そんな競技が毎月のようにどこかの街で開催されています。イヌと飼い主がペアになって走り、タイムを競うというごく単純な(？)このスポーツ、その名はカニクロスです。カニ(cani) はラテン語でイヌ、クロスはクロスカントリー(crosscountry)のクロスで、イヌと野外を横断する競技を意味する造語です。

レースにより走行距離はまちまちですが、一般的に、子どもが走れる距離(600〜700m)、短距離(1200〜1400m)、中距離(2〜3.5km)、中距離2周(4〜7km)など、3〜4種類のカテゴリーに
分かれています。参加するイヌは1歳以上の成犬であることが条件です。走者1人に対し、イヌは1匹。走者は柔らかいベルトを腰に巻き、イヌはハーネスを付け、走者とイヌは、互いにゴム製のリードでつながります。これは、いきなりイヌが飛び出した
ときのお互いのショックを和らげるためです。また、競技は、イヌの足へのショックを考え、通常、土の上で行われます。

カニクロスでは、マラソンのように全員一斉スタートで走り出すと大変なことになるので、30秒ごとに1組ずつスタートします。イヌは走者の前、または横を走るのがルールです。

もう走れないイヌを走者が無理やり引っ張るなど、走者の後ろをイヌが走ったら失格となります。しかし、抱きかかえて走るのはOK。もちろん、体罰を加えながら走らせるのもダメ。あ、もう1つ、ほかのイヌに襲いかからせるのも失格です。

もうすぐ8歳になる愛犬、黒のラブラドールのサシャと私は、これまで数回参加しました。前回は、森を走る6kmコースに挑戦しました。
係員の「3、2、1、ゼロ！」の秒読みでスタートです。私たちは、好タイムを狙うレベルではないので、マイペースで走っていると後続の走者がどんどん追いついてきます。追い越すときは、走者同士声を掛け合い、右に寄ったり左に寄ったりしながら、イヌ同士がぶつからないようにします。自分とイ
ヌの呼吸が合っていると感じる瞬間、これぞチームワーク。「一緒に走りきった」という達成感は何ともいえません。レースの結果は、距離と走者の年
齢でグループ分けされ発表されます。

カニクロスは、愛犬と一緒に楽しめるスポーツですが、レースに出場しなくても、ハーネスを付けて近所をジョギングなんていうのも結構楽しいですよ。