Petits Pois
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アンネ・エルボー

イラストとシンプルな文章だけで構成されているものと定義しがちな絵本。しかし、絵本は、子どもだけのものではありません。大人でも手を伸ばせばいつでも届くところに置いておきたい、そんな思いにさせてくれるベルギー出身の絵本作家アンネ・エルボーさんの絵本の世界をのぞいてみましょう。

世界中の多くの言語に翻訳されているのですが、翻訳出版されるたび、いつも気になっているのは、絵本に表現されていることば遊びの面白さがちゃんと伝わっているのかということです。
欧米の絵本では、同音異義語の音遊びを楽しむことがあります。例えば『 Lundi 』。主人公 Lundi ( 月曜 ) には、ゆるキャラの heiere ( ティーポット ) と Deux-Mains ( 握手 ) というお友だちが います。これがイギリスの出版社の英訳によると Monday のお友 だちは、 Yesterday と Tomorrow 。アメリカの出版社の英訳で は、 Lester Day ( レスター・ディ ) と Tom Morrow ( トム・モロー ) なんです。仏語では、読み聞かせてもらった子どもの耳に、 Theiere は hier ( 昨日 ) 、 Deux-Mains は、 demain ( 明日 ) と聞 こえることを意識しています。ページを繰るごとに、音が静かな時 間に乗って、心地よく耳に注ぎこまれていく、そんなことば遊びな のです。でも、ことばのないイラストだけの絵本も描いています。 そういう本を出版するときは、編集者たちの安堵感をひしひしと 感じます。


『 Lundi 』では、次々ページをめくっていくと、ページは、デコボ
コした手触りとともに、だんだん、だんだん薄くなっていく。そして
Lundi は、とうとう薄っぺらで真っ白なページの中に消える。この
絵本では、紙の厚さや手触り感で「喪失感」を表現しています。こ
とば ( 音 ) とイラストだけでなく、本に触って主人公の存在が確認で きるようにしています。
絵本のテーマはいつも「時 ( とき ) 」。時間、季節、暦、時代といっ
た「時」は、自分の中の軸です。絵の中に隠された絵、ページを開
けると広がるさらなるページ、次々と深まる世界など、独創的な遊
び心、魅惑的なポエム、視覚に訴える印象と圧倒的な美しさで時
の流れを表現するようにしています。

土いじりが大好き。天気が許す限り外にいます。日陰にはオダ
マキが広がり、ハシバミ、サンザシ、ヒイラギ、ブナ、オークに囲ま
れた自宅の庭は、シンプルで自然のまま。クロウタドリや近所のネ
コが自由に行き交っています。ほったらかしのように見えるツルバ
ラも小鳥の宿り木。季節ごとに生えてくる下草は、カエルの隠れ
場。果物、野菜やハーブを育て、そこに生きる動物と共有しながら
大地からのパワーをもらっています。

「日本」を感じるのは、黒澤映画。そ
れに、葛飾北斎、小津安二郎。宮崎
駿 、 マ ン ガ 家 谷 口 ジ ロ ー 、
Murakami 、北野武らの芸術作品から
も日本の街や風景を感じずにはいられ
ません。そこから漂う日本は、美、バイ
オレンス、厳正さ、ゆとり、静、歴史、慣
習、モダンが混在していて、大都会で
ありながら先祖代々から受け継いだも
のを宿す、きっと神秘的な世界なんで
しょう。日本には行ったことはありませ
んが、来年には行けるかもしれないの
で、実現することを祈っています。

今年のボローニャの受賞作品『 Ici, Londres! 』
は、 4 人のアーティストが手掛けました。ナチス占
領下にあったフランスからイギリスに亡命したフラ
ンス人は、フランス本土に向け、 BBC 放送の「こ
ちらロンドン!」の「リスナーからのメッセージコー
ナー」で、美しく、厳格で謎めいた暗号文を発信
し、ことばで戦争からの解放を求めていました。
謎のことばは奇妙で詩的、そして不可解。とって
も難しかったのですが、そこにある戦争と自由を
分かりやすいイラストで表現してみました。